河野衛門三郎
空海が仏教の教えを広めて歩いていた際、ある屋敷の門前で托鉢を行った。
しかし、そこは、強欲で、無慈悲な河野衛門三郎の家であり、空海はすぐに追い返されてしまう。
その後も空海は衛門三郎の家の前で托鉢を行ったが、相手にしてもらえず、追い返され、8日目を迎える事となる。
8日目、追い返してもやってくる空海にいら立った衛門三郎は、クワで空海の鉢を割って追い返してしまう。
その後、衛門三郎の8人の子供たちは原因不明の病にかかり、毎日1人ずつ亡くなってしまう。ついには子供たちは全員亡くなってしまい、衛門三郎は悲しみに打ちひしがれた。
そんな時、唐で修行した偉い僧(空海)が四国を巡礼していることを耳にする。
もしやあの時追い返した僧が空海かと思うと居ても立っても居られなくなり、謝罪をするため、空海を探してお寺を回る旅に出る。
四国遍路の始まりであり、空海が戻ってきた時のため、名前、住所、日付を書いた紙をお寺に収めたといわれている。(納札の起源)
杖杉庵(じょうしんあん)
弘法大師に謝罪するため遍路の旅に出た衛門三郎。21回目に逆回りを行っている途中、四国八十八箇所12番札所焼山寺近くのこの地で力尽き病に倒れた。そこに弘法大師が現れ、衛門三郎は非礼を詫びた。大師が衛門三郎に来世の望みを訊くと、生まれ変われるなら河野家に生まれたいと望んで息を引き取った。そこで大師は「衛門三郎再来」と書いた石を左の手に握らせ、大師は衛門三郎をこの地に葬り、墓標として衛門三郎が遍路に使用した杉の杖を立てた。これがやがて根を張り杉の大木となったという。
水谷しづさん
愛知県尾西市の水谷しづさん(当時49歳)は、脊髄カリエスの難病にかかり床についていた。「第6番札所 安楽寺」の住職は、夫の繁治さんに病床で苦しむしづさんと供に、四国遍路をすすめ、二人は遍路の旅に出ることになる。そして、「第27番札所 神峯寺」にて霊験を得て奇跡的に全治したといわれている。
天正の兵火
約400年前の戦国時代に起きた戦乱で、土佐(高知)の武将・長宗我部元親が四国全土統一をもくろみ起こした戦乱とされている。
四国霊場八十八ヶ所のうち28ヶ所もの霊場が被害を受けたとされている。特に、徳島は13ヶ所もの霊場が被害を受けている。
神仏分離
明治元年、政府は「王政復古」「祭政一致」の理想実現のため、神道国教化の方針を採用し、それまで広く行われてきた神仏習合(神仏混淆)を禁止するため、神仏分離令を発した。
神道と仏教、神と仏、神社と寺院とをはっきり区別させること。
ウィキペディアより
順打ち
1番札所から順番に参拝すること
逆打ち
88番札所から逆回りで参拝すること。
河野衛門三郎が空海に謝罪するためお寺を回る四国遍路の旅に出るが、四国を20周しても空海に合う事は出来なかった。衛門三郎は空海と同じ方向に向かって歩いても会う事は出来ないと考え、21週目からは逆回りを始めると事となる。そして逆回りを始めてから、空海に会う事が出来た。これが逆打ちの起源とされている。
また、衛門三郎が逆回りを始めた年がうるう年だったため、うるう年は逆打ちの年として、順打ちの3倍の功徳を得られるといわれている。
托鉢
鉢を出して、お米や野菜をいただくこと
加持
仏の慈悲の心は常に衆生に注がれ、信心深い人がその仏の慈悲の心を感じ取ること
護摩祈祷
御本尊の前でお供え物を焚き上げ、ご加護を願うこと
十二支の由来
大昔の話。神様が「一月一日の朝、一番から十二番目までに来たものを1年交代で動物の大将にする」という手紙を書きました。
それを受け取った全国の動物たちは、自分が一番になろうと翌朝まだ暗いうちから一斉にスタートしました。でも猫だけは「一月二日の朝」とネズミから聞いていたので、出発しませんでした。犬と猿は最初は仲良く並んで走っていたのですが、そのうち必死になってしまい、とうとう丸木橋の上で大げんかを始めました。
いよいよ新年の太陽が昇った時、前日の夕方から出発していた牛が一番に現れました。しかし牛の背に乗っていたネズミが、「神さま、新年おめでとうございまチュゥ」と、牛の背中からぴょんと飛び下り、神さまの前に走っていきました。一番はネズミになってしまったので、牛は「モゥモゥ!」と悔しがりました。
続いて虎が到着し、そして兎、龍がやってきました。こうして次々に動物たちが到着し、蛇、馬、羊、猿、鳥、犬、猪、カエル、の順番となりました。13番目になってしまったカエルは、がっかりして「もうカエル」と言って帰っていきました。
さて、神さまと十二支たちの酒盛りが始まりましたが、犬と猿はまだケンカをしていました。そこへすごい剣幕で猫が現れ、ネズミを追いかけまわしました。だから、今でも猫はネズミを追いかけていて、犬と猿は仲が悪いという事です。
(まんが日本昔ばなし〜データベース〜 より)
伽藍(がらん)
僧侶が集まり修行する清浄な場所
大般若転読法要
大般若転読とは、仏教の法要の一種で、大般若経という600巻の経典を短時間に読み上げるものです。転読という速読法を用いて、経題だけを大声で読み上げながら、経本をぱらぱらとめくり、机を経典で叩きます。